もっと冷たく囁いて!


〜ドMは潔い〜










、僕は急かすつもりはない」
「いいの。私がもうアーデを待たせちゃいけないって思っただけ」


 付き合い始めて二ヶ月、とは未だキスまでの仲だ(しかも深い方はしたことがない)。そんな話をは同じ女であるクリスティナたちとしたらしいのだが、二ヶ月経った今でも清い関係の続いている自分たちをどうやら案じているらしかった。

 だがそういうことは人によって踏む段階も違うものだし、ティエリアは特に気にしてなどいなかった。大切な恋人に無理強いするようなことなんてしたくない。


「待たされてる気もなかったが」
「でも、“いい加減お預けはかわいそうだ”って」
「そんなこと誰が言った」
「ロックオン」


 万死。

 あの人は自分たちを支援してくれているのか茶化しているのか分からない。それにしたって、は人に影響されてそんなことを言い出すような人間ではなかったはずだが、余程の言われようだったのだろうか。


「アーデは嫌?」
「嫌ではない」
「じゃあ何?」
「焦ってする必要はないだろう」


 しかしは納得行かないようだ。ずっと今のままで満足かと言われれば、ティエリアだって自信はない。けれどそれは今でなくてもいいのではないか。今はまだ二人で穏やかに過ごす時間を大切にしていたい。一度そういうことをしてしまったら、互いにそればかりになってしまわないか、そういう方法に頼ってしまわないか――杞憂だと笑われるかも知れないが、正直そんな思いもある。


「はっ!もしかしてあたしって女として魅力不足!?胸小さい!?くびれがない!?総合的に色気がない!?」
「そういうことではない、話を聞け」
「むう…」
「今はまだそういうことは無しでといたい。それだけだ」
「丸め込まれた気がするなあ」
「まさかとは思うが、、欲求不満なのか?」
「あ、うん、多分それ」


 一切の否定もせずに認めやがった。どこまで潔いんだこの女は。


「…自己処理を推奨する」
「やーん!それって彼女以前に女の子に言うセリフ!?」
















(2009/9/25)

(でも実は事中のアーデがどんななのか興味がある訳で)
(あーはいはいならではの楽しみ方よね)
(あの鋭い視線に上から射抜かれたい…)
(あんたやっぱ筋金入りの変態ね)
(ドMと言ってドMと!!)