もっと冷たく囁いて!


〜ドMは欲求不満の味方〜










「ロックオン・ストラトス」
「あたしたちから!」
「ささやかながら」
「プレゼントがあります!」


 二人一緒に部屋を訪ねて来たかと思えば、息もぴったりにそんなことを言い出した。漫才コンビのようなそのやり取りに、普通ならば笑ってやる所なのだろうが、二人の内一人がティエリアだというのがまた笑えない。もう片方は唯一女性のマイスター、だ。


「プレゼント?」
「今日は貴方の誕生日だ、ロックオン・ストラトス」
「あたしたち、半年も前から準備してたんですよ!」


 お前ら、いつの間にそんな仲良くなってたんだ…。
 いつもはさながらトムジェリのような仲の二人が、喧嘩もせず並んでいる所を見ると思わず目頭が熱くなる。しかし半年も前から、一体何を準備してくれていたというのだろう。ここまで来て、ようやく嫌な予感がロックオンの胸を占める。


「私たち、お互いの長所を生かすことを考えましてですね」
「こういうものを作ってみた」


 そう言ってティエリアから差し出されたのは、メモリースティックの挿入されたコンピュータ。その画面をが開けると。


「なに、…………ってお前らなあ!!」
「どうです、あたしとアーデの知識と技術を以てすれば…」
「だからってこれはねぇだろ!」
「半年もかかったんだ。ありがたく受け取るがいい」
「なんで上から目線なんだお前は!」
「でもロックオンもまだ24だし、こんな男ばっかで実際、欲求不満にならない?」
「これで解消しろと!?」
「だってロックオンって年上好みではなさそうだし」
「ミス・スメラギのことか」
「だからって一回りも年が違うような子は…」
「フェルトか?フェルトのことか?」
「し、仕方ないなあ、あたしでよかったら一日くらい…」
「脱ぐな!大体ティエリアもいいのかこれは!」
「髪と目の色と名前を貸してくれと言われただけだから構わない」
「ああそうかよ…」


 結局パソコンごとメモリースティックをロックオンに渡したまま、二人はどこか嬉しそうに帰って行った。


「だからってなんで…」


 誕生日プレゼントがギャルゲーなんだ。
















(2009/3/3 こういうことだけ仲が良いのもなあ…)

(ちなみにそれ十八禁だから刹那にやらせちゃだめだよー!)
(そういうことを大声で言うな馬鹿野郎!!)




おめでとうロックオン!
ちなみにプレゼントされたのはMな後輩を落とすかSな先輩に落とされるかの二択ゲーム。
モデルはもちろんMが、Sがティエリア。