アトリエ


山の奥にある小さな小屋で、私は夏を過ごす。
毎年一人で長い夏を過ごす私だけれど、今年だけは違った。
あれ夏が生んだ幻だったのかも知れない。
けれど随所に残る彼の気配だけが、
決して夢幻ではなく現実の残滓なのだと言っているように思えた。



滴り落ちて滲んだ黒
じわりと彩る





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